有明海沿いのフルーツバス停から博多へ、旅の終わり|山口から佐賀・長崎・福岡ひとり旅・完結

有明海沿いのメロンのバス停

 

【山口から佐賀・長崎・福岡ひとり旅】

 

今旅の最終目的地、福岡・博多へ向かう。

長崎市内を出発し、長崎多良見ICへ向かう。長崎市内は住宅が密集した坂の多い街並みが続く。走行を続けると、建物が少なくなり、周囲は山と緑の多い風景へと変わっていく。

長崎多良見ICから長崎自動車道へ入り、佐賀・福岡方面へ向かう。諫早ICで高速道路を降りる。インターチェンジを降りたあと、国道34号線から国道207号線を走るルート。諫早の市街地なのだろう。本明川を渡ったあたりから電線が少なくなる。遮るものが少なくなり、それだけで空が高くなったような感覚になる。佐賀・鹿島方面の案内標識を何度か目にするようになる。

徐々に交通量が落ち着いてきた。少しずつ視界が開けてきた。右手に白く霞んだ薄墨色の山影が見える。片道一車線の道幅は広くないが、ゆるやかな道が続く。通り沿いにあるコンビニの駐車場の広さが印象的だ。今旅で時折目にする象のマークのスーパーも通り過ぎる。

JR長里駅付近から、それまで少し窮屈だった景色が一気に広がった。自然と車のスピードを落とした。

有明海とその向こうにどっしりと構えた雲仙普賢岳の姿がはっきりと見える。しかも、近くに感じる。少し走ると、通りにあるコンビニの駐車場に車を止めた。買ってきたコーヒーを片手に、景色をただ眺めながらの小休止。

休憩もそこそこに、再び車を走らせる。道路脇にぽつぽつと巨大なイチゴやスイカが現れる。バス停のようで、トマトやメロンもある。これが意外と続くので、気になって仕方がない。駐車場の案内板を発見。通り過ぎたが、Uターンして戻って車をその駐車場に入れた。スマホで調べてみたところ、フラワーゾーンという無料の駐車場だった。ありがたく停めさせてもらう。

そこは井崎という巨大メロンが待合所になっているバス停。対向車線側は、イチゴのバス停。メロンのバス停の背後には有明海が広がり、対岸には雲仙普賢岳が構えていた。多少の車は行き交うが、人の気配はない。バス停の背後から波の音が聞こえる。周囲からは鳥のさえずりも聞こえてくる。

この景色が気に入った。
メロンと有明海と雲仙普賢岳の構図を、ただ眺めていた。目の前を一台のトラックが横切ったところで、車に乗り込み、走らせた。

巨大なメロンのバス停から20分ぐらいの距離で、長崎県から佐賀県に入っていた。
予定していた大魚神社にたどり着いた。

海岸から日本一の干満差を誇る有明海へ三基の鳥居が縦に並んでいる。潮の満ち引きによって鳥居の下を歩くことができる。満潮時には、広大な有明海に鳥居が浮かんだように見えたり、日の傾きによって様々な表情を見せてくれるだろう。今度来るときは、ここで一日ゆっくり過ごすのもいいだろう。

大魚神社を後にし、国道207号線を北へ進み、高速道路のインターへと向かう。佐賀大和ICから長崎自動車道へ。アクセルを踏み込みスピード感が増していく。海沿いののどかな景色から、一気に流れる風景に変わる。鳥栖JCTから九州自動車道へ入ってすぐのPAで休憩。息を整える。山並みが遠ざかり、交通量が明らかに増えた。左右に広がる田園風景から、都会のビル群へ景色が変化する。福岡都市高速を降り、天神の街にたどり着いた。

この街で、3日間唯一の相棒だったレンタカーを返却する。

天神から今日の宿泊先のある博多まで、地下鉄で5分ほどの距離を歩いてみることにした。明治通りを東へ進む。商業ビルとオフィスビルに囲まれた人の賑わいがある。車の流れも多く、歩道は道幅も広く整備されていて歩きやすい。

ビルの谷間を歩いていると、ときおり見える空が細く高く見える。

やがて、那珂川が見えてくる。都会の中に突然現れる川は、視界の幅を広げてくれる。穏やかな水の流れを横目に、気持ちが整う。
博多駅前通りに入ると、また街の雰囲気が変わり、ビル群の他にホテルなども目に付くようになる。道なりに緩やかな左カーブを行くと、正面に、道を塞ぐかのような佇まいの建物が見えてくる。通りを歩き続けると左右の空間が一気に開け、目の前に博多駅の駅ビルが左右いっぱいに広がっていた。

博多駅に入ると、観光客や学生などの姿も多くなる。駅中のコンコースから数分かけて、反対側の出入り口に抜けると、また街の雰囲気が変わる。ここから筑紫通を10分ほどで、宿泊先のスーパーホテルPremier博多駅に着いた。そのままチェックインを済ませて、部屋に入り、ベッドに飛び込む。

 

誰かの日常の光景が、旅人にとっての非日常になる。
明日また、日常に戻る。

 

山口から佐賀・長崎・福岡ひとり旅 完

 


【移動と滞在のひとり旅アーカイブ】

今回の「移動と滞在」の中で、私の心に静かに残った場所や宿泊先、旅を支えてくれたものたちの備忘録です。

移動の足跡(宿泊先・立ち寄った場所)

● スーパーホテルPremier博多駅・筑紫口天然温泉

楽天トラベル(料金・空室を見る)

じゃらん(料金・空室を見る)

公式サイト(料金・プランを見る)

・所在地:福岡県福岡市博多区博多駅南2-1-32 [Google Maps]

・宿泊メモ:博多駅から徒歩10分かからない距離で、飲食店、コンビニでの買い物には困りません。フロントスタッフの方の対応が心地良くでスーパーホテルのファンです。
ルームキーは暗証番号入力タイプで、鍵を持ち歩く必要がなく、チェックアウト時の手続きも不要。宿泊したスタンダードルーム、大浴場は広くはありませんが、一人旅には丁度良いサイズ感でゆっくり休めました。

 

● ときめき フルーツバス停通り

・所在地:国道207号線(長里バス停-県界バス停間) [Google Maps]

・立ち寄りメモ:国道207号の「JR長里駅」付近から、佐賀県との県境にある「県界(けんかい)」バス停までの約7kmの区間です。国道沿いには16基中、14基が点在しています。イチゴ、メロン、ミカン、スイカ、トマトの5種類のバス停。心穏やかに過ごせるドライブコースです。

 

● 大魚神社 海中鳥居

・所在地佐賀県藤津郡太良町多良1874-9 [Google Maps]

・立ち寄りメモ:大魚神社から100mほどの場所に、海中鳥居がある。満潮時には鳥居が海に浮かんでいるような幻想的な光景になる。潮が引くと、有明海特有の広大な干潟が現れ、鳥居の下を歩いてくぐることもできる。
訪れるなら、事前に気象庁の潮汐表を確認し、満潮か干潮か、見たい時間帯を狙うのがよさそうだ。 天候や時間帯によって、まったく違う景色になるはずだ。
鳥居越しに昇る日の出も、きっと美しいのだろう。そんな光景を、少し想像してみたくなる場所だった。

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