
佐世保を後にして、今夜の宿泊地である長崎市内へ向けて車を走らせた。
市内に入った頃には、周囲はすっかり暗くなっていた。今夜の宿泊先は「天然温泉 鶴港の湯 ドーミーインPREMIUM長崎駅前」。途中、景色に見入っていたせいもあって、予定より到着が遅くなってしまった。
チェックインを済ませて、部屋に荷物を置き、皿うどんを目当てに街へ出た。
夜の長崎は、人も車も少なくないが、落ち着いた雰囲気だった。時折、路面電車の走る音が聞こえ、ゆったりとした時間が流れているように感じる。道は平坦ではない。足裏にわずかな傾斜を感じる。急いでいるわけではないが、気づけば足取りが少し重くなっていた。
20分ほど歩いただろうか。異国の気配漂う、長崎新地中華街へたどり着いた。目当ての店の営業時間はとうに過ぎていた。港のほうへ向かって歩いている途中「リンガーハット」が視界に入り、そのまま店に入った。
カウンター席に座る。タブレットで、ビールと皿うどんを注文する。
頼んでいたビールを、ゆっくり飲む。
皿うどんが運ばれてきた。パリッとした麺に餡が絡む。
予定通りではなかったが、こういう食べ慣れた味にほっとするのだと思う。
店を出ると、夜の空気に包まれる。すぐそばの長崎港ターミナルのあたりを少し歩く。ここから軍艦島クルーズ船が出ている。いつか訪れてみたいと思った。
夜の海沿いは静かで、水面が周囲の灯りを反射して揺れている。港町には何か共通するものを感じる。ホテルへの帰り道は、来た道とは違う道を散策しながら戻ることにした。
宿に着き、少し休んでから温泉へ向かった。
最上階の大浴場にある、街中の露天風呂に体を沈める。湯気に包まれながら、今日の道のりを一つずつゆっくりと振り返る。
肉厚アジフライと長閑な松浦。
展海峰から見渡す九十九島。
重厚感漂う佐世保港。
今日の記憶が、湯の中で静かに整理されていく。
温泉の静かな時間。明日はグラバー園をゆっくり歩いてみよう。
【移動と滞在のひとり旅アーカイブ】
今回の「移動と滞在」の中で、私の心に静かに残った場所や宿泊先、旅を支えてくれたものたちの備忘録です。
移動の足跡(宿泊先・立ち寄った場所)
● 天然温泉 鶴港の湯 ドーミーインPREMIUM長崎駅前
・所在地:長崎県長崎市五島町2-29 [Google Maps]
・宿泊メモ:最上階11Fには、長崎県西彼杵郡長与町から運ばれる天然温泉の大浴場があります。街中のホテルで露天風呂やサウナも楽しめ、ゆっくりと過ごせました。
有料ランドリーがあるので、旅先での洗濯にも困りません。夜にはドーミーイン名物の夜鳴きそばの無料サービスもあります。その他のサービスも充実しています。
● リンガーハット 長崎出島店
・所在地:長崎県長崎市出島町1-5 [Google Maps]
・立ち寄りメモ:グループの原点は、とんかつ専門店「浜かつ」。その後、長崎ちゃんぽんの専門店として「長崎ちゃんぽん 浜勝」の1号店が誕生したそうです。飲食店の聖地巡礼や、各地の店舗を巡る旅という楽しみ方もあると感じました。
店名にもなっている「リンガー」の由来となった人物ゆかりの建物がグラバー園にあり、その歴史に、少しだけ触れてみようと思いました。